持続的な企業価値の創造と向上に向けて・・・

1.エンゲージメントとは

エンゲージメント(Employee Engagement)とは一般に、

組織構成員の所属組織に対する愛着心や仕事への情熱、構成員と組織の双方向の関係性や結びつきの度合いを指す。エンゲージメント施策とは一般に、構成員と組織が一体となり、互いの成長に自発的に貢献しあえるように、相互の信頼関係、結びつきを強めるための取り組み全般を指す(マーサージャパンによる定義)とされています。

現在注目されているISO30414や人的資本経営においても、従業員のエンゲージメントを高める取組が重要視されています。

経営戦略と人材戦略が連動しなくては、決して企業価値の向上には繋がりません。そのため経営戦略の実現に向けて、従業員が能力を十分に発揮するためには、従業員がやりがいや働きがいを感じ、主体的に業務に取り組むことができる環境の整備が重要となります。その際、企業の理念、存在意義(パーパス)及び文化の浸透度合いから、ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(一体感)の達成状況に至るまで、様々な要素が複合的に関係するため、エンゲージメントを高めるための取組と検証を繰り返していくことが重要となってきています。

また、従業員満足度調査というものがありますが、エンゲージメントサーベイは従来の従業員満足度調査に比べ、より企業と個人の双方向的な関係性にフォーカスしたものです。

(出所:経済産業省主催 経営競争力強化に向けた人材マネジメント研究会 「平成30年度 産業経済研究委託事業 (企業の戦略的人事機能の強化に関する調査)」、「人材版伊藤レポート2.0」)

どうして、エンゲージメントを高める必要があるのでしょうか?

2.エンゲージメントを高める必要性

エンゲージメントを高めるには、企業のビジョンとミッションに共感する、従業員の成長を支援する、従業員の声に耳を傾けるなどの取り組みを行うことが重要です。エンゲージメントを高めることで、企業は生産性の向上、離職率の低下、顧客満足度の向上などの効果を得ることができます。

(出所:経済産業省主催 経営競争力強化に向けた人材マネジメント研究会 「平成30年度 産業経済研究委託事業 (企業の戦略的人事機能の強化に関する調査)」)

エンゲージメントとは、従業員が企業に対して愛着を持ち、自発的に仕事に取り組む意欲やモチベーションを高めている状態を指します。エンゲージメントの高い従業員は、企業の目標達成に貢献し、企業の競争力を高めることができます。

(出所:経済産業省主催 経営競争力強化に向けた人材マネジメント研究会 「平成30年度 産業経済研究委託事業 (企業の戦略的人事機能の強化に関する調査)」)

エンゲージメントを高めるには、次の3つのテーマに取り組むことが重要です。

1.企業のビジョンとミッションに共感する
 従業員が企業のビジョンとミッションに共感することで、企業の成長に貢献したいという意欲が高まります。企業のビジョンとミッションを伝える際には、簡潔でわかりやすく伝えることが重要です。例えば、企業のビジョンは「世界で最も愛されるブランドになる」と定め、ミッションはそのビジョンを達成するための具体策として「良いものをつくり、良いものを売り、良いサービスを提供する」と定めることができます。

2.従業員の成長を支援する
 従業員が成長することで、仕事への意欲やモチベーションが高まります。従業員の成長を支援するためには、教育や研修の機会を提供する、新しいチャレンジを促す、メンター制度を導入するなどの取り組みを行います。
 例えば、企業が従業員の成長を支援するために、新入社員研修や階層別研修、OJTを実施することができます。また、従業員が新しいチャレンジをしたい場合には、異動や転職を支援することもできます。さらに、メンター制度を導入することで、ベテラン社員が新入社員や若手社員をサポートすることができます。

3.従業員の声に耳を傾ける
 従業員の声に耳を傾けることで、従業員が企業に愛着を持ち、自発的に仕事に取り組むようになります。従業員の声を集めるために、アンケートや面談を定期的に開催し、従業員の意見を尊重して、改善策を講じることが重要です。
 例えば、企業は従業員の満足度を調査するために、定期的にアンケートを実施することができます。また、従業員の意見を直接聞くために、面談を実施することもできます。従業員の意見を尊重して、改善策を講じることで、従業員のモチベーションを高めることができます。

エンゲージメントを高めることは、企業にとって非常に重要です。エンゲージメントを高めることで、企業は生産性の向上、離職率の低下、顧客満足度の向上などの効果を得ることができます。

また、ISO30414「人的資本に関する情報開示のガイドライン」とエンゲージメントは、密接に関連しています。ISO30414は、企業が人的資本を効果的に管理し、その価値を高めるための指針を提供することで、エンゲージメントを高めることに貢献します。ISO30414は、企業がエンゲージメントを高め、企業の競争力を高めるための有効なツールです。

3.エンゲージメントサーベイの効果的な実施

エンゲージメントを高めることは、企業にとって、生産性の向上、離職率の低下、顧客満足度の向上、企業価値の向上など、様々なメリットがあります。企業は、エンゲージメントを高めるための取り組みを積極的に行い、競争力を高めていきましょう。

エンゲージメントサーベイとは、従業員のエンゲージメントを測定するための調査です。エンゲージメントサーベイを実施することで、従業員の貢献意欲・満足度やモチベーションの状況を把握し、企業の課題を改善することができます。

エンゲージメントサーベイを効果的に実施するためには、次の点に注意が必要です。

● 目的を明確にする:エンゲージメントサーベイを実施する目的は何かを考える。離職率を下げたいのか、生産性を向上させたいのか、それとも従業員の貢献意欲・満足度を高めたいのかなど、目的を明確にすることで、サーベイの質問項目を絞り込むことができます。

● 対象を明確にする:エンゲージメントサーベイを実施する対象を誰にするのかを考える。全従業員を対象にするか、特定の部門や職種を対象にするかを決めます。

● 質問項目を慎重に選ぶ:エンゲージメントサーベイの質問項目は、従業員のエンゲージメントを測定するために必要な項目を選ぶ必要があります。質問項目は、簡潔でわかりやすく、回答しやすいように作成します。

● 回答率を高める:エンゲージメントサーベイの回答率を高めるために、回答を強制しない、回答を匿名にする、回答がすぐに結果に反映されるようにするなどの工夫が必要です。

● 結果を分析し、改善策を立てる:エンゲージメントサーベイの結果を分析し、改善策を立てます。改善策は、従業員の意見を尊重して、実行可能なものを目指しましょう。

エンゲージメントサーベイは、従業員のエンゲージメントを測定し、企業の課題を改善するための有効なツールです。効果的にエンゲージメントサーベイを実施することで、企業の競争力を高めることができます。

持続的な企業価値の創造と向上に向けて・・・

『人材版伊藤レポート2.0』においても、従業員エンゲージメントを高める取組が要素の1つとして示されています。

○ 経営戦略の実現に向けて、社員が能力を十分に発揮するためには、社員がやりがいや働きがいを感じ、主体的に業務に取り組むことができる環境の整備が重要である。その際、企業の理念、存在意義及び文化の浸透度合いから、ダイバーシティ&インクルージョンの達成状況に至るまで、様々な要素が複合的に関係するため、取組と検証を繰り返していくことが期待される。
○ 特に、企業や事業の成長と多様な個人の成長の方向性を一致させていく必要があり、画一的なキャリアパスではなく、多様な就業経験や機会の提供を行うことが求められる。
(1)社員のエンゲージメントレベルの把握

(2)エンゲージメントレベルに応じたストレッチアサインメント

(3)社内のできるだけ広いポジションの公募制化

の概要、重要性、取組み方が示されているので参考になります。

ただ単に取り組めば良いものではなく”経営戦略と人材戦略を連動させる”必要性を忘れないでください。

HCMは、人的資本経営(ISO30414)の視点からサポートしています。HCMを活用して、“優秀な人材の確保と定着”を目指しましょう。